貯水タンクの地震被害調査と対策 | 中央大学 平野研究室

貯水槽被害調査

熊本地震での貯水槽の被害調査

研究グループでは、発災直後の4月17日から熊本市を中心として現地調査を実施して来た。発災直後と言うことで、救助活動の妨げにならないことを第一と考えたことから、十分な調査ではないが、熊本市周辺の災害拠点病院で貯水槽の被害や上水道の大型配水池等でのタンクの損傷を確認することができた。

隅角部上部及び天井部の破損例(ステンレスパネル製配水池:熊本市南区)

隅角部上部のパネルに凹みが見られる。また天井部パネルの溶接部に割れの損傷が生じている。

 

隅角部上部及び天井部の破損例(ステンレスパネル製配水池:熊本市南区)

 

隅角部上部及び天井部の破損例(ステンレスパネル製配水池:熊本市南区)

 

隅角部上部及び天井部の破損例(ステンレスパネル製配水池:熊本市南区)

 

隅角部上部及び天井部の破損例(ステンレスパネル製配水池:熊本市南区)

 

 

下部パネル溶接部の損傷例(ステンレスパネル製配水池:熊本県菊池郡)

ステンレス製パネルタンクの下部パネルの溶接部分から水漏れが生じている。これは、バルジング現象が原因と考えられる。

 

下部パネル溶接部の損傷例(ステンレスパネル製配水池:熊本県菊池郡)

 

下部パネル溶接部の損傷例(ステンレスパネル製配水池:熊本県菊池郡)

 

下部パネル溶接部の損傷例(ステンレスパネル製配水池:熊本県菊池郡)

 

 

2012年製タンクの破損事例(ステンレス製パネルタンク:合志市)

東日本大震災以降の2012年に製造されたステンレス製パネルタンクの破損事例で、スロッシング現象が原因と考えられる。

 

2012年製タンクの破損事例(ステンレス製パネルタンク:合志市)

 

2012年製タンクの破損事例(ステンレス製パネルタンク:合志市)

 

なお、ここでの調査結果は限られた調査であるので、この他多くの被害が熊本市周辺で発生していることは間違いないと思われる。

隅角部下部が破損した例(ステンレス製パネルタンク:熊本市南区)

ステンレス製パネルタンクの側壁隅角部下側壁のパネル接合部が縦方向に割れている。この被害は、バルジング現象が原因と考えられる。

 

隅角部下部が破損した例(ステンレス製パネルタンク:熊本市南区)

 

隅角部下部が破損した例(ステンレス製パネルタンク:熊本市南区)

隅角部上部側板と天井が破損した例(FRP製パネルタンク:熊本市南区)

FRP製パネルタンクの上部の側壁ならびに天井部(天井から光が漏れている)が損傷している。これは、貯水槽上部の破損であり、スロッシング現象が原因と考えられる。

 

隅角部上部側板と天井が破損した例(FRP製パネルタンク:熊本市南区)

 

隅角部上部側板と天井が破損した例(FRP製パネルタンク:熊本市南区)

完全に破壊された例(FRP製パネルタンク:阿蘇市)

FRP製パネルタンクが完全に破壊されるに至っている。これは、バルジング現象とスロシング現象が同時に発生した可能性が高いと考えられる。

 

完全に破壊された例(FRP製パネルタンク:阿蘇市)

 

完全に破壊された例(FRP製パネルタンク:阿蘇市)

貯水槽被害調査 | 中央大学 平野研究室記事一覧

熊本地震 その後の調査

地震発生より8か月経過熊本市内 受水槽 (ステンレス製パネルタンク)側部変形、ポンプ室内・底部の漏水熊本県菊池郡 配水池 (ステンレス製パネルタンク)側面、隅角部、下部パネル溶接部の漏水

≫続きを読む

 

東日本大震災での調査

東日本大震災を受けて、石油タンク以外の貯槽物、例えば上水道配水施設、汚水処理施設、核燃料貯蔵物などの大型容器、特に矩形容器の内用液が地震発生時に溢流や貯槽自体が破棄する被害に関して重点的に調査を実施してきた。調査の過程で矩形貯水槽に被害が多数発生していることを把握した。仙台市内の公立小学校における調...

≫続きを読む

 

ホーム サイトマップ
TOP 被害調査 原因究明 制振装置開発 Archives お問い合わせ

ページの先頭に戻る